神門は、IT企業でSESエンジニアとして働く日々に、どこか物足りなさを感じていた。
ルビとの別れから10年、寿退社したルビは元気だろうか。
毎日同じようなコーディング作業やシステムのメンテナンスに追われ、時には自分の仕事が社会にどれだけ影響を与えているのか疑問を感じることもあった。
「Hey, yo!やりがいある仕事やりたい、ハイハイ赤ちゃん、だめじゃん、てめえで見つけろ代替あ~ん!」
口ずさむ部下をキーボードで殴りつけた、妄想をした。
昔はよく部下をキーボードで殴りつけたものだ。今はパワハラでクビになっちまう。
「おれがdeleteされちまうってか?あ?」
心は限りなく透明なプルプルしたもので満たされていた。
デスクの隣で若い二人が話をしているのが聞こえる。
「最近、ネット上で不思議なことが起きてるって聞いたことない?」
「え、どういうこと?」
「なんか、世界中の情報が何かの勢力によって操作されてるみたいなんだよ。」
「アニメの世界じゃん」
彼は会社の業務の一環として、インターネット上での情報収集を行っていた。
すると、驚くべき真実を知ることになる。
世界が秘密結社ハッカーによって支配され、荒廃していた。
日本の中央区だけギリセーフだったらしい。
自分が中央区のオフィスで働き、中央区在住なことから気づかなかったのだ!!!!
全世界を支配する秘密結社ハッカーによる情報操作と支配が行われているというのを知る。
そして、その情報を暴露しようとしたイーロンMAXがハッカーによって捕らえられてしまったことを知る。
イーロンMAXが最後に出演した海外のニュースが繰り返し放送されている。
「I want you all to listen. The world is in trouble right now. A secret society of hackers is taking over the world. If we don’t find a brave coder who can fight the hackers soon, we will be in trouble!」
「何言ってっかわかんねえよ!」
神門は映像に毒づいた。
窓から外を見下ろすと、ハッカー戦闘員たちがPCを操作し、交通大渋滞を引き起こしているのを目撃した。
いまや信号も車もすべてハックされてしまい、大混乱だ。
世界を混乱させ、支配していた。
外に出ると、街は普段とは異なる雰囲気に包まれていた。
人々は急いで歩き、不安げな表情を浮かべている。
神門は突然、ハッカー戦闘員に囲まれてしまった。
彼らは不気味な笑みを浮かべ、PCを操りながら神門に近づいてきた。
「おい、お前何者だ?ここは通れないぞ。」
「え、すみません。ただ通りたかっただけです。」
「通りたいなら通れるわけじゃない。お前、何か企んでるんじゃないか?」
「あなたに言われたくない!」
神門は戦闘員たちとのやりとりに戸惑いを隠せない。
しかし、彼らの態度から、彼らが情報操作やハッキングを通じて世界を混乱させていることを理解する。
「私はただまいばすけっとにコーヒーを買いたいだけです。何も企んでいません。」
戦闘員たちは神門に不信を向け、突然襲い掛かってきた。竹岡式ラーメンを食べていた戦闘員たちもラーメンをすするやいなや襲い掛かってきた。
神門は必死に抵抗するが、戦闘員に取り囲まれてしまい、なすすべもなく殴られてしまう。
右こめかみ、顎、右こめかみ、脇腹、右こめかみ、ひざ、右こめかみ。
「右こめかみ多いんだよ!」
彼は激しい痛みを感じながらも、立ち上がろうとするが、力尽きてしまった。
つづく・・・!!!